CADの漫画感

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波よ聞いてくれ(沙村広明):サスペンス、ミステリー、アクション、ラブロマンス。全方位最強の日常系漫画

月間アフタヌーンで連載中の沙村広明さん作「波よ聞いてくれ」を最近読んで、クソおもしれえ!と思ったので感想を書きます。

 

 

あらすじとしては、北海道のカレー屋でバイトしている主人公の鼓田ミナレが、とあるきっかけからラジオ業界で働くことになり奮闘してく様を描く、というもの。

 

これだけ書くと日常系のゆったりした空気の漫画かと思ってしまいますが、実際は個性的なキャラクター達によって動かされる怒涛の展開の骨太ストーリー漫画だと思ってます。

 

異常性と個性を併せ持つ人間味のある登場人物

まず登場人物が皆すごく魅力的。

話のベースとしては主人公のミナレが破天荒な性格を生かして物語を動かしていくことが多いんだけど、ミナレは決して異常者というわけでなく常識もわきまえていて、端々で知的な部分も多く見受けられる。

また他の登場人物たちも、まともでありながらどこか異常な部分というか心の闇を持ち合わせている。それがブラックホール級か墨汁のシミかという程度の違いはあるけれど、それぞれがその異常性と個性を生かして各々の目的を達成するため、物語に関わり話を動かしていく・・・。

この異常性と個性というものは現実で誰もが持ち合わせているもので、それがこの漫画ではうまく描写されているので、キャラクター達に人間味、現実味が生まれ、大きな魅力になっているんだと思います。

 

キャラクターに動かされていく物語

ミナレは生計を立てるためのラジオパーソナリティとして奔走する、ディレクターの麻藤は面白い番組を作るためにミナレを引き止める策を講じる、など各々が自分の目的に沿って行動していき、結果として殺人事件(?)や宗教団体とのバトル(肉弾)などに発展していきます。

各キャラクターが持ち前の異常性を生かして目的を達成するために動く様子は、そこまでの日常での各キャラの細々とした描写から非常に説得力のある展開として受け止められます。

ところどころ挟まれるギャグも面白く、普段まともでミナレを抑え突っ込みに回っているキャラも状況しだいでは異常性を生かしてボケに回る。ボケが西田に偏った笑い飯のような感じかな・・・いいですね!

 

なおいろいろ事件は起こりますが、結局最終的には日常に戻ってきてそこを中心で進行していくので、やっぱり分類するなら日常系になるのかな・・・?

 

2巻までは読んでくれ

ここまで波よ聞いてくれの魅力を書きましたが、実は僕以前に1巻だけ読んだ状態でそのまま放置してました。

でも最近機会があって読み進めていくとめちゃくちゃ面白くて、最新刊まで一気に購入してしまいました。2巻ぐらいから話が大きく動くようになって来るように感じたので、できればそのあたりまでは読んでみて欲しいですね。(ヒナまつりもそんな感じだった)

 

余談ですが、僕自身現在ではラジオは野球中継を聞くぐらいだけど、中学生くらいの時には宿題しながらよくABCラジオミュージックパラダイスを聞いていて、笑いやチョイエロ、どんなもんリュック(違う)などラジオの楽しさを教えてくれた番組で印象深いです。当時パーソナリティだった浦川アナは、今もABCラジオで金曜にレギュラー番組持ってがんばってるみたいで応援してます。