CADの漫画感

人に勧めたい漫画、気になった漫画を語ります

今週の週刊少年マガジン感想(2019年41号 9/11発売):吉河は 読み切りぐらいが ちょうどいい

ネタバレです。

 

炎炎ノ消防隊

先週気合で何とかすると予想してたけどほぼ正解やったな。

しかも 肩にちっちゃいジープのせてんのかい! もやってるしw

 ただ蟲が入ってないんなら顔が黒くなってんのはなんやねん!

 

ヒットマン

1コマ目がコントの一場面に見えた

「え・・・僕がですか?」

回想の小鳥遊がロケットおっぱいすぎる。性的!性的!

扉絵もアレだし・・・やるじゃん。

  

それでも歩は寄せてくる

今日の歩君は完全にヒロイン。

先輩は野菜ジュース取られた時の口がへにょへにょになってるのがかわいい(脳死

 

そういえば単行本読んだ時に初めて気になったんだけど、照れてる時の表現でほっぺたに描いてる斜線が点線になってるのがかなり気になる。他であんまり見ないよなあ。

それまで本誌で読んでる時は気にならなかったんだけど・・・

一度気にし出すと止まらなくて辛い。

 

DAYS

ここで柄本が決めた方が熱かった気がするが、君下が頑張るところを見せないといけなかったのかな。

こっからもう一回柄本ゴールまで持っていって欲しい。

 

前から思ってたけど、今のこの時代にこんな特徴のない(失礼)サッカー漫画で面白く書いていけてるDAYSってすごいと思う。

ブルーロックとか特徴の塊だからまだわかるんだが。

たぶん試合展開全体と個人の心情描写と場面場面のフォーカスの仕方とか、それらのバランスの取り方がうまいんだとは思うが。

まあジャイアントキリングなんかも今はあんまり監督関係ない感じだけど面白いから、サッカーがどうとかあんまり関係ないか。

昔からあるどのジャンルでも、新しい作品で面白いものは面白いしな、と書いててすぐ当たり前と気付くことを思ったりした。

ブルーロックと同じ雑誌に載ってて比較しやすかったせいやなたぶん。T屋!オイ! 

 

化物語

相変わらず原作の思い出と一致させられない。

アララララギさんは殺され芸が板についてきていい感じやね。

腕から刃を出すシーンはかっこよかったです。その後やられてるだけだが。

 

柊さんちの吸血事情

一つ前の天使と悪魔のやつもそうだったけど、読み切りだとほんとちょうどいいところで終わってあー面白かったなーになる。

ヤンメガも7人の魔女も最初は面白く読んでたんだけど、途中からダレて読まなくなったんだよなあ・・・

ただこれは僕があんまりラブコメに向いてないせいなのかもしれない。

山本崇一朗さんの漫画くらい一話一話があっさりしてるか、逆に初恋ゾンビくらいメインのストーリーベースで進んでいくようなのはまた別なんだけど。

なんか毎話それぞれでの展開作ってるようなのだと結構すぐ飽きてしまう。エロ重視ならまた話は別だよ。

 

ネクロマンス

普通に面白くて頑張って欲しい漫画ランキング第一位!(一番面白いという意味ではない)

やっぱキャラの好感度は重要だよなー。

ファンタジー系って結構な高確率でクソみたいなやついるイメージ。

その点この漫画は(今のところ)安心して読める。

 

 

ちょっとT屋で検索してみたらツイッターアカウントあったんだけど、炎炎ノ消防隊とかランウェイで笑ってとかも担当してたんか。やっぱあのコメントないとわかるもんじゃないな笑

  

 

今週の週刊少年ジャンプ感想(2019年41号 9/9発売):玄弥ちゃんの銃が鬼になっちまっただ!

週刊少年ジャンプの中で読んでるもののうち気になった話について書いてみます。ネタバレ。

 

鬼滅の刃

全員覚醒しまくっててラストバトル感がすごい。

ただ最後の方、よく見たら無一郎君の足切れてるやん! アア、オワッタ・・・!

両足かこれ?片腕もないからもう何をどうしても助かりませんよ~(これをフラグにして何とか助かってほしい)

 

最後にキモくなった玄弥の起死回生の一発が放たれてたけど、銃で状況が好転するイメージが全然わかないな~。でも好転するんでしょうね。

 

アクタージュ

阿良也が劇団メンバーの幻覚見てるのと、その中でも亀が偉そうなのがさらにワロタ。

でもストーリーは普通に面白くて、阿良也と王賀美がそれぞれのプライドをぶつけ合ってバッチバチのバチな展開は熱い。

 

チェンソーマン

この漫画ほんま理不尽な技とか敵多すぎて、そら「禁止にしようぜそれ~!」ってなるわな。

でも最初は居合で胴体真っ二つだったけど結構耐えられるようになってんのは、単に慣れたからなのか修行のせいかなのか。(カタナマンが手抜いてるのか?)

足からチェーンソーは修行の成果っぽくてよかった。

あとデンジが乗客ちゃんと守ってるのもよかった。基本的にはやさしいよね彼。

 

呪術廻戦

五条さん生きてるのはそりゃそうでしょうなあという感じだが、反転術式がぜんぜん理解不能

-×-=+ 

じゃねえよ!www

もう無敵モードになったっぽいのでこのまま圧倒して勝ちそうな感じだけどどうなるのか・・・

 

 

ジャンプは新連載をあまり読まなくなってしまったのでちょっと読み始めようかな。

雑誌で買ってたら5号前とかのを暇な時に読んだりしてたんだけど、ジャンプBOOKストアの定期購読だと最新しか読めないのは結構な問題点な気がする。

古いのだけわざわざ買うやついないんだからずっと読めてもいいのでは??

 

 

少年ジャンプ(41) 2019年 9/23 号 [雑誌]

少年ジャンプ(41) 2019年 9/23 号 [雑誌]

 

 

九井諒子短編集 竜の学校は山の上、竜のかわいい七つの子、ひきだしにテラリウム:タンジョン飯より万人にオススメ!九井諒子の世界観に引き込まれる短編集

 まず最初に言っておきたいのは、

 

僕のブログ記事は読まなくても・・・この本は読んでくださぁい!

 

というぐらいオススメの作品達だということです。

 

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

 

 

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

 

 

ひきだしにテラリウム
 

 

九井諒子さんといえばハルタで連載されている『ダンジョン飯』が、『このマンガがすごい!』で1位になって有名になったので知っている方は結構いると思います。

ダンジョン飯』も、よく練り込まれた独特の世界観の作品で面白くてオススメなんですが、ちょっとグロキモいところがあるしファンタジー(ジャパンRPG的世界観、ローグ系)にかなり寄っているので、特に未読の方にはまず今回紹介する3つの短編集をオススメしたいです。

 

いずれの作品も1話完結かごく短いショートショートのみで構成されています。

一つの作品の中では設定的につながっている話もあったりしますが、どれから読んでも問題ないです。

 

独特の世界観と先の気になるストーリー展開、話の意味を理解した瞬間の快感

人魚のいる世界、明らかにドラクエの典型的ファンタジー、日本の江戸時代あたりの話など、種類もいろいろ、独特な設定の話も多いですが、数コマ読んだだけでどういう舞台、世界観の話なのか理解できるような構成になっており非常に読みやすいです。

一方で、舞台設定の根底自体を話の主軸やオチに持ってきている話も多く、いずれの場合も「これどういう話なんや?」と疑問を持って読んでいくうちに次の気になる展開につながり、途中から「もしかしてこれって…」と舞台や世界観自体に仕組まれたギミックやメッセージに気付かされる楽しさがあります。

 

ジャンルとしては感動、笑い、教育的教訓など様々な種類の話がありますが、今読んでいるのがどういう話なのかを理解することそのもので快感が得られるような構成になっているものが多いです(アハ体験的な)。

 

話のオチまでの持って行き方、構成が非常にうまくて、無駄なコマとかないんじゃないか??と思うくらいです。

 

3作品それぞれの特徴

・竜の学校は山の上

一番最初に出した単行本なので、今の絵とは雰囲気が違い線も粗めの話が多いですが、これはこれで味という感じだし話の面白さに遜色はありません。

ただ、終わり方が結構あっさりしている話が多い気はします。

 

竜のかわいい七つの子

2作目です。

感動系の話が多めで、この記事を書くのに読み直して半分くらいの話で泣きました(泣きすぎ)。

3作品のうちだと僕はこれが一番好きです。

 

・ひきだしにテラリウム

3作目です。

完全なショートショート集ですのでテンポよく読めて笑える話が多いです。

僕は3つのうちこれを最初に読みましたが、最後まで読み終わった時にはぶっ飛び大爆笑でした。(意味は通して読んでもらえればわかります)

 

 

僕が一番好きというのもありますが、最初に読むなら竜のかわいい七つの子がおススメです。

 

 

異種族共存世界によって描かれるメッセージ

以下、ちょっと真面目系の考察になりますが、九井さんの作品では異種族同士の関係についてフォーカスされることが多いです。

例えば「竜の学校は山の上」では、いわゆる普通の人間である猿人と上半身は人間で下半身は馬の馬人という二つの種族が共存している世界を描いています。

馬人は猿人と比べて労働意欲が高く睡眠時間も短いなど社会において重宝されており、猿人のキャラが馬人の同僚を羨ましがっていますが、馬人は馬人で猿人の自由な生き方に憧れを抱いているという一面が描かれています。

 

このように異種族が共存する話というのものは短編集で何度も出てきますし、ダンジョン飯でもいろんな種族が登場しており、それぞれの種族の違いを強調して話の展開の中で生かされています。

漫画の中ではファンタジーとして描かれていますが、僕は現実世界でも頻繁にある国籍や地方性などの違いによるすれ違いが無くなってほしいという九井さんからのメッセージではないかと思っています。

現実では、人間社会において少なくとも見た目は人間である人ばかりなので、どんな相手であっても勝手に共通の価値観を持っていると心の底で思ってしまっている部分があります。しかし実際には根底となる考え方が違うということは同じ国籍や年代だとしてもよくある話で、その勘違いによって不要ないさかいが起きてしまうことは少なくありません。

 

九井さんは漫画を通してこういったすれ違いによる争いに警鐘を鳴らしている…!?とまでは行かないかもしれませんが、みんな個性を認めあって楽しく生きていこうよくらいのことは言いたいんじゃないかと、この柔らかな絵を見ていると思わされるといったところです。

 

 

メッセージ性についていろいろ書きましたが、上の解釈はちょっと無理やり目に考えたもので、漫画自体に説教臭さみたいなものは全然なくて万人におススメできる漫画だと思います。

ぜひ読んでみて面白ければ他の人にも薦めてあげてください。

web版週間少年マガジンにはじめの一歩が載っていない件について今さら

電子書籍とマガジン(とジャンプ)の思い出

僕が初めて電子書籍を利用したのはたしか5,6年位前。

Amazonkindleがセール中だったので特に深く考えず購入しました。

当時はまだ週刊少年マガジンやジャンプなどの雑誌は電子化されておらず、単行本の書籍数も少なかったと記憶しています。

それでも、本屋に行ったり通販で注文して届くまで待つ手間が無くすぐに読めることや、なんといってもスペースを圧迫しないのが非常に魅力的で徐々に電子書籍に移行していきました。

 

しばらくすると雑誌の電子書籍もだんだん増えてきました。

僕はマガジンとジャンプは毎週会社帰りに買っていたのですが、電子化されたのを知ってからも毎週の仕事後の楽しみだったのでしばらくそれは変わりませんでした。

 

ただ、やはりというか雑誌で買っていると部屋が圧迫されてしょうがない。

小学生のころならミニ四駆のコースとして再利用していたところですが、大人になった今では枕元に雪崩の元が積み上げられていくだけでした。

 

とある水曜日、仕事が忙しく帰りが遅くなったせいで、帰宅途中のコンビニに全然マガジンが残っておらず(立ち読みされまくったボロボロのやつはあったが)、しょうがないので今日は電子書籍で読むか、と思いそのまま家に帰りました。

飯や風呂を済まして自室ですばやくkindleを起動し、マガジンの購入ページに移動しました。

"※一部書籍版とは内容が異なります" みたいな文言が見えた気がしたけど、あまり気にせず購入して読み始めました。

 

読んですぐに、ああ、グラビアがないんやな。と気付きました。

まあジャニーズもネット上ではかまいたちの夜みたいになってるし、肖像権とかなんかがあるんやろうなーと思って納得しました。特に興味の無い部分だったので。

ただ、一通り読み終わってから気付きました。

 

あれ?一歩なくね?

 

そう、皆さんご存知の通りというか、はじめの一歩は電子版には掲載されていませんでした。

後から購入ページを確認したらちゃんと書いてあったような気もしますが、当時は載ってないこと自体に憤りを感じました。

それからしばらくは電子書籍と雑誌を交互くらいで買うようになりましたが、一歩は漫画喫茶に行った時に読んだりして補完していました。

でもだんだんめんどくさくなって、もう一歩はいいか・・・と思うようになり、ついには読まなくなりました。悲しいなあ・・・

 

 

電子書籍否定派の漫画家さん達について

はじめの一歩は今も電子版には掲載されていません。

他誌でも浦沢直樹さんや井上雄彦さんなどの作品は電子版に掲載されておらず、理由を調べてみたところ見開きでのみわかる表現や紙媒体自体に対する魅力を大事にしたい、というようなことらしいです。

まあ確かにジョージや他の電子版否定派の方の意見も想像はつきましたし、全くわからないわけではないです。

時代遅れだとか読む側のこと考えろとか言う気持ちはあるけど、今まで全力で漫画にかけて来た人にはこっちの想像もつかん何かがあるんでしょう。

 

だから僕は言いたいわけです。

編集とか会社がちゃんと管理せえや!

顧客のこと考えてもっとちゃんと説得するとか脅す賺すして無理やりでも載せろや!

・・・と言いたいんですけど、あんだけ大御所だと例えばじゃあ書くのやめるとか言われたら対抗のしようがない気がするので実質どうしょうもないんでしょうね。

どこの会社でもよくありそうな話です。

 

僕は絵の迫力とか細かい書き込みとかよりも、ストーリーとかキャラクターを重要視して読んでるってのもあって、細かいことはええから早く電子化してくれや、と思っています。

できるだけ早く漫画家の方に時代に適応してもらえるよう祈っております。

ただ、一歩はもういいかな・・・。

 

 

ちなみに電子版に移った後でも、紙版もしばらくは会社帰りにちょくちょく買っており、最後の方に買った2冊はPCディスプレイの台座として今も活躍しています。

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今週の週刊少年マガジン感想(2019年40号 9/4発売):東京卍リベンジャーズはまたどうでもよさそうな話が始まるのか?

週刊少年マガジンの中で読んでるもののうち気になった話について書いてみます。ネタバレ。

 

東京卍リベンジャーズ

2話くらい回想をはさんだからうろ覚えなんだけど、タケミチは絶対未来を変える!とか言って意気込んでなかったっけ?

何で1週間ずっと漫画読んどるんや!?そりゃマイキーも絶望するわな・・・

この漫画は常々「中学生の設定ありえねー笑」と思って読んでるが、冒頭のイキリ具合はいい感じに中学生ぽかった。

あと電車から降りてきた軍団全員が布ベルト垂らしまくってたのは中学生ぽかった。ただ、そのファッションでいいというコンセンサスちゃんととれてんのか君たち?

 

そういえばちょっと前に人間凶器カツオが無料だったので読んだんだけど、東京卍とは比べ物にならないありえなさでワロタw

とはいえ読んでると結構面白いから不思議。やっぱり勢いって大事やね。

 

ネクロマンス

新連載2話目。

週マガで時折始まっては消えていくファンタジー枠だけどこれは結構面白い。

主人公アンデット化の設定とラブコメからのタイトルもいいセンスだと思うし、話もまとまってて全体的にいいバランス。女の子もかわいい。

あとこういうのでありがちな不快なメインキャラがいないのはでかい!

CADはネクロマンスを応援しています。

 

ブルーロック

前作の神様の言うとおりは、ハァーどうでもいい!どうでもいい!どうでもどうでもどうでもいい!ってくらいどうでもいいと思って(読んでた)けど、ブルーロックは週マガでも最初の方に読むくらいには楽しみ。

成早はほぼノーマークのPA内っぽい位置からシュート決められないのは流石にやばいのでは?潔と同レベルみたいな扱い方されてるがもう決定力身につけたからフォワードとして全然別物な気がするが・・・

そういや最近担当T屋のコメント見てない気がするけどブルーロックでもあったよね?誰かに怒られたのか?笑

 

炎炎ノ消防隊

つかまってる桜備大隊長の腕周りでかすぎる。

肩にちっちゃいジープのせてんのかい!

 

蟲が注入されてしまったがこの人は流石にリタイアせんやろ???

気合でなんとかするかアドラリンク関連でなんやかんや助かると予想。

 

DAYS

相変わらず臼井先輩がかっこよすぎるが最後のコマの顔はどうかと思った。

 

化物語

久々に載ってる気がするがやっぱり大暮さんの画力がすごすぎるな。そりゃ中学生のスク水も書きますわ。

しかし、今回の話って原作にこんなんあったっけ?亡霊武者みたいのがビジュアライズされてるから違和感あるだけなのかな。

そもそも読んだのが昔過ぎてあまり覚えてないのが辛い。八九寺の話なんかは結構細部まで覚えてるんだが・・・ 

 

 

今週は歩が寄せてこなかったので悲しい。

最近はウェブでしか読んでないからはじめの何とかはもう知らないよ。

 

 

 

創世のタイガ(森恒二):遅れてやって来た本格派なろう系タイムスリップ物語

講談社のイブニングで連載中の森恒二さん作「創世のタイガ」が面白かったので感想を書きます。

あらすじですが、主人公のタイガ含む大学の文化人類学ゼミのメンバーが、卒業旅行で行ったオーストラリアの洞窟から、古代(平たく言うと原始時代)にタイムスリップしてしまう。

そしてそこで生き残るため、現代の知識や各自の得意分野の技術を生かして、サバイバルをしたり原住民との交流、争いに巻き込まれていく・・・というものなんですが、この感じ、完全になろう系やんけ!と僕は最初に思いました。

 

ただのなろう系ではない、一味違う人間描写

少し前から(少しか?)流行っていて今では飽和状態のなろう系創作、基本的には異世界に転生して現代の知識や技術、もしくは"ぼくのかんがえたさいきょうののうりょく"で無双するというものが多いですね。

この漫画も異世界転生かタイムスリップかの違いはあるものの基本的には同じ分類になると思います。

なろう系が流行りだしたのは2008年頃のようなので、2017年開始のこの作品をなろう系と定義するなら大分後発ということになります。

 

ただ、よくあるなろう系と違うこの漫画の特徴は、登場人物たちの感情や行動の真剣味、リアルさの描写が非常にうまく説得力があるというところです。

(なろう系に精通しているというわけではないのでそういう作品があったら申し訳ない)

タイムスリップした直後の驚きや戸惑い、いるはずのない大型の動物を見て命の危険を身近に感じた恐怖や絶望感など、登場人物の心の動きにフォーカスを当てることで、スリリングなストーリー展開をさらにドキドキするものに仕上げています。

この感情表現のうまさはこの作者の特徴でもあり、私が以前読んだ「ホーリーランド」でもドキドキする展開でどんどん読み進めていけましたし、未読ですが「自殺島」でも同様にこのへんの描写のうまさが活かされているみたいです。

 

なろう系らしい良さ

一方でなろう系特有といえる描写も多く、メンバーそれぞれの得意分野であるアウトドアや古生物知識などを活かして食料や寝床を確保したり、原住民との交流で現代の道具を披露して驚かせたり、格闘術で体格差のある相手に奮闘するなど、あー!そうそうこれこれ!っていう感じになります笑

なお格闘術を使用する場面は、そこまでの話では敵対する原住民と槍などで殺し合いの戦いをしたりしているのに、うまく展開を持って行くことで作者得意のタイマンステゴロバトルを始めるという流れには笑いました(バトル自体はめっちゃ熱い戦い)。

 

先が気になる本格的なストーリー展開

ここまでなろう系ベースでばかり感想を書きましたが、普通の漫画として見てもとても面白いです。

肉食獣や原住民との生死をかけた戦い、タイガたちが何のためにタイムスリップしてきたのか、巨大なマンモスにどう対処していくのか、原住民の女の子とどうなっていくのか、といったハラハラドキドキ、先が気になる展開で本格的なストーリー漫画としても楽しめるのは間違いないです。

 

今だと、講談社のwebサイト「コミックDAYS」で創世のタイガが毎週配信されています。

月額960円でイブニングや、週刊少年マガジンアフタヌーン、モーニングなど全13誌の最新刊が読めますので、上記の雑誌のいくつかを毎週、毎月個別に買っている人なら断然安く済むのでとてもおすすめです(紙媒体がいい人は別ですが)。

comic-days.com

ただweb版の週刊少年マガジンには「はじめの一歩」が載っていないのでご注意ください。マジで許せねえよなあ・・・!!

 

 

波よ聞いてくれ(沙村広明):サスペンス、ミステリー、アクション、ラブロマンス。全方位最強の日常系漫画

月間アフタヌーンで連載中の沙村広明さん作「波よ聞いてくれ」を最近読んで、クソおもしれえ!と思ったので感想を書きます。

 

 

あらすじとしては、北海道のカレー屋でバイトしている主人公の鼓田ミナレが、とあるきっかけからラジオ業界で働くことになり奮闘してく様を描く、というもの。

 

これだけ書くと日常系のゆったりした空気の漫画かと思ってしまいますが、実際は個性的なキャラクター達によって動かされる怒涛の展開の骨太ストーリー漫画だと思ってます。

 

異常性と個性を併せ持つ人間味のある登場人物

まず登場人物が皆すごく魅力的。

話のベースとしては主人公のミナレが破天荒な性格を生かして物語を動かしていくことが多いんだけど、ミナレは決して異常者というわけでなく常識もわきまえていて、端々で知的な部分も多く見受けられる。

また他の登場人物たちも、まともでありながらどこか異常な部分というか心の闇を持ち合わせている。それがブラックホール級か墨汁のシミかという程度の違いはあるけれど、それぞれがその異常性と個性を生かして各々の目的を達成するため、物語に関わり話を動かしていく・・・。

この異常性と個性というものは現実で誰もが持ち合わせているもので、それがこの漫画ではうまく描写されているので、キャラクター達に人間味、現実味が生まれ、大きな魅力になっているんだと思います。

 

キャラクターに動かされていく物語

ミナレは生計を立てるためのラジオパーソナリティとして奔走する、ディレクターの麻藤は面白い番組を作るためにミナレを引き止める策を講じる、など各々が自分の目的に沿って行動していき、結果として殺人事件(?)や宗教団体とのバトル(肉弾)などに発展していきます。

各キャラクターが持ち前の異常性を生かして目的を達成するために動く様子は、そこまでの日常での各キャラの細々とした描写から非常に説得力のある展開として受け止められます。

ところどころ挟まれるギャグも面白く、普段まともでミナレを抑え突っ込みに回っているキャラも状況しだいでは異常性を生かしてボケに回る。ボケが西田に偏った笑い飯のような感じかな・・・いいですね!

 

なおいろいろ事件は起こりますが、結局最終的には日常に戻ってきてそこを中心で進行していくので、やっぱり分類するなら日常系になるのかな・・・?

 

2巻までは読んでくれ

ここまで波よ聞いてくれの魅力を書きましたが、実は僕以前に1巻だけ読んだ状態でそのまま放置してました。

でも最近機会があって読み進めていくとめちゃくちゃ面白くて、最新刊まで一気に購入してしまいました。2巻ぐらいから話が大きく動くようになって来るように感じたので、できればそのあたりまでは読んでみて欲しいですね。(ヒナまつりもそんな感じだった)

 

余談ですが、僕自身現在ではラジオは野球中継を聞くぐらいだけど、中学生くらいの時には宿題しながらよくABCラジオミュージックパラダイスを聞いていて、笑いやチョイエロ、どんなもんリュック(違う)などラジオの楽しさを教えてくれた番組で印象深いです。当時パーソナリティだった浦川アナは、今もABCラジオで金曜にレギュラー番組持ってがんばってるみたいで応援してます。